通常タペストリー作成で使用する生地はスェードやW(ダブル)スェードが一般的です。
スェードやWスェードがどのような生地かご存じない方も多いと思います。そこで、それぞれの生地について、簡単にご説明させていただきます。

スェード
スェードと聞くと、靴などに使用される皮革・合成皮革を加工した素材を思い浮かびますが、 ここではポリエステル繊維のことを指します。細い繊維(75デニール)を綾織りで高密度に織った生地です。つやがあって風合いもよく柔らかな光沢、やさしい高級感が特徴です。
綾織りというのは生地の織り方のひとつです。

織物というのは、たて糸とよこ糸を直角に交差させて作った布地のことをいいます。その中でもっとも基本的な 平織り・綾織り・朱子織りを織物の三原組織と呼びます。
・平織り 
たて糸とよこ糸が一本ずつ交差して規則正しく織られる生地のことです。頑丈・丈夫ですが厚手の織物は作りにくいです。その分平面的でプリントや加工が容易です。
・綾織り
たて糸何本かに対して、よこ糸一本の割合で織り進める織り方 織り目が斜めになっているのが特徴です。平織りにくらべて強度に欠けますが、やわらかな風合いで伸縮性に優れており、しわがよりにくい特徴があります。
・朱子織り
繻子織りともいい、糸の交差点が上下左右とも隣接しないようにたて糸・よこ糸ともに5本ずつで織られている生地です。 糸が長く渡る織り方のため、なめらかで滑りがよく光沢があります。

W(ダブル)スェード 
名前のとおりスェードの2倍の厚みを持った遮光性の高い生地です。しなやかで柔らかい肌触りが特徴でスェードに比べてより高級感があります。また、色合いはマットな仕上がりになります。

この二つの生地以外にも、絵柄のイメージに合わせて他の生地をお選びいただくこともできます。

トロピカル 
軽く細い糸(150デニール)で平織りで緻密に織られた生地で薄手で通気性が良く、はりがありなめらかな質感です。ある程度裏抜けします。 
名前は熱帯地方の意味で元々イギリスで作られていましたが南洋のマレーシア・インド等に輸出されてこの名がついたそうです。

トロマット 
トロピカルの2倍の太さの糸(300デニール)で平織りで織られたもの。しわがつきにくく丈夫で発色性がよく深みのある色合いを出すことができます。トロピカルに比べて裏抜けしにくいです。

サテン
朱子織りで織られた生地でスェードよりも高い光沢があり豊かな光沢と柔らかな手触りが特徴で高級感あふれる生地です。

ポリエステル帆布
複数の糸をよりあわせて平織りで織っています。そのためとにかく丈夫なのが特徴です。元々は帆船の
帆に使われたためこの名がついたそうです。厚くて重いですが、変わった風合いのタペストリーができると思います。

以上、少しはご参考になりましたでしょうか。イメージにあった生地をお選びいただくことが大切です。

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